2011/01/28

日本は安全か?

1年近く放ったらかしのブログですが、4月ぐらいからまたインドネシアと縁深くなることもあり、
頑張って更新していきたいと思います。

日本に帰国して驚いたのは(特に若年層の)労働環境の劣悪さです。
長時間、低賃金の労働が常態化していて
私の身の回りにもうつ病など精神を病んで休職、
または休職の後に解雇されるケースが少なからずありました。
マスコミの報道で日本のこうした現状は聞いてはいたのですが、
実際に友人にそういうことが起きると驚きと、得も言われぬ不安な気持ちになります。

ご存知の通り、日本では毎年3万人以上が自殺しています。
2009年の人口10万人あたりの自殺者数は24.4人で世界6位でした。
(ちなみにインドネシアは統計なし)
雇用、経済環境の悪化など「経済・生活問題」を原因としたものが多いそうです。

インドネシアのコトを聞かれる時に必ず、「衛生面やテロとか危険でしょう?」と尋ねられます。
確かにテロについては日本では想定しがたいリスクではあります。
でも、どの国、どの文化、社会でも固有のリスクはあるわけで、イラクやアフガニスタンみたいに
毎月のように爆弾テロが起きてるのではたまったもんじゃないですが、
インドネシアのようにせいぜい3年に1度、10人程度が死傷する程度の頻度では、
巻き込まれる可能性は極めて低く、あんまり意識する必要のない水準のリスクだと思います。

はっきり言ってインドネシアでテロに巻き込まれて死ぬ可能性より
日本で自殺に追い込まれる可能性の方がはるかに高いような気がします。

テロと自殺は直接的に比較できるものでないことは分かってはいますが、
見方を変えれば日本は特別、安全な国でも、他の国よりことさら優れたことばかりでもないという
当たり前のことに改めて気付かされるということの一例にはなると思います。

私個人はこれだけヒドイ労働環境、それに関連したうつ病、自殺なんていう問題に対して
政治も国民も大して関心を示していない(ように見える)日本の方が怖いです。
Zガンダムで主人公カミーユが言ってた
「人の心を大事にしない世界を創って何になるんだ!」
というセリフを思い出すことが多いこの頃です。